Machi-ai 事例紹介

グリーンメディック

OVERVIEW

大阪府豊中市を中心に4店舗を展開するグリーンメディック薬局様。 “新しい価値観を創出し、社会に貢献する” という理念のもと、処方せんに基づいて調剤するだけの薬局から脱却し、薬剤師が徹底して患者さん目線に立ち、貢献するために、ICTを取り入れた数々の先進的な取り組みをされています。

導入事例紹介(グリーンメディック薬局 イオン局様)
多田 耕三先生
株式会社グリーンメディック 代表取締役 豊中市薬剤師会 副会長

INTERVIEW

「単純なシステムのようで、僕はデカいと思っているんですよ。」

患者さんとしっかりと向き合うには、薬剤師側の価値観変容が必要でした

今後、薬局業界では、生活提案、かかりつけ薬剤師としてのサポート、地域在宅医療まで、薬剤師は色んなことをやっていかなければいけません。そのためには生産性を上げることが必要です。生産性の向上とは、効率化を行うことと、行動変容を起こすことです。そこで、今の調剤薬局の業務フローというものを根底から見つめ直してみました。

薬剤師の業務の中で、「服薬指導」はとても大切です。多くの薬剤師は、患者さんからじっくり話を聞いて、薬の正しい使い方をしっかりと説明すれば、みんな聞いてくれると信じています。でも、「服薬指導はこうあるべき」・「服薬指導はするべき」という考えは、薬剤師側の都合です。患者さんを主軸に置いて考えると、すべての人に同じことをするのがそもそも違うんです。この薬剤師のそもそもの価値観の変容を起こすことが必要でした。

薬剤師の価値観を変える受付システムを探していた

患者さん目線に立ったときの真の価値とは、説明がほしいと思っている人がほしい説明を受けられること、つまり”情報の適正化”だと思うんです。じゃあ最初に、患者さんに説明がいるのか・いらないかを聞けばいい。
銀行でも、携帯電話のお店でも、来店の目的を聞かれますよね?それなのに、薬局には処方せんを受け付けて、調剤して、渡して、服薬指導をして、お金をもらう、というフローしかないんです。
そこで、来局時に「説明がいるのか・いらないのか」を簡単に聞ける受付システムがないかと探していたんです。

来局者の3/4は説明を希望していなかった

グリーンメディック・イオン局で「machi-ai」に表示させている選択肢は「説明をご希望の方」と「処方確認のみご希望の方」の2つです。実際に統計をとってみたところ、説明を希望する患者さんは4人に1人しかいませんでした。つまり、画一的な対応をしていると、4人中3人には「余計な説明」を強制することになるのです。これでは揉めるのも当然です。だからと言って、その3人には説明しないわけではありません。大事なことは、患者さんの薬物療法がうまくいくことです。そのためには、説明がほしい方には十分に説明し、説明を必要としていない方には簡単にわかりやすく説明できないといけません。この課題がわかったことがすごく大きかったです。

“情報の適正化”に寄与する、受付票の印刷機能も良かった

僕は、「machi-ai」のiPadにタッチするだけという簡単な操作性をとても気に入っています。
また、受付票が印刷される仕組みは思っていた以上に良かったです。受付票にはQRコードが印字されていて、このQRコードを患者さんが携帯電話で読み取ると、局外にいても現在の呼び出し状況をいつでも確認することができます。これはまさに、患者さんが自分の求めている情報を得られる仕組み、”情報の適正化”だと感じています。その結果、待ち時間を有効に活用することができる、という患者さんにとっての新たな価値を生み出すことができたのです。

対人業務中心になっても「machi-ai」だけで薬局は十分戦える

これから薬剤師が患者さん中心の”対人業務”の充実を図る上で、どこから手をつければ良いのか。もっとも簡単な方法は、「説明がほしい」と思っている人に「何の説明がほしいですか?」と聞くことです。説明してほしいって言ってくれているなら、僕はいくらでも喋れますよ。説明がいらない人には、なぜ説明がいらないと思っているのかを聞いてみるのもいいかもしれません。前と同じ薬だからか、急いでいるからか、あるいは「薬剤師に説明を受ける必要あるの?」と思っているのかもしれません。それだけで、薬剤師のすべき次の行動が見えてくるのではないでしょうか。
「machi-ai」に表示させる選択肢は、自分でテキストを入力して自由に変えられるのもいいですね。説明がいる・いらない以外にも、選択肢を色々作ってみて統計をとってみるといいと思います。その選択肢に対する薬剤師の対応はどうだったのか、ということも調査できます。薬剤師のすべての行動を、誰かの「こうすべき」論ではなく、データに基づいて見直していくことが可能になりますよね。

ICTのシステム構築に伴う行動変容が大事

国が掲げる“健康サポート薬局”ができれば、薬剤師はすごく変わるんじゃないかと僕は思っています。健康サポート薬局は、「患者さんが困っていること」を助けるためにあるのだから、「薬剤師がしたいこと」をやればいいわけじゃない。ここにも薬剤師の価値観変容が必要なのです。
僕は、薬局に様々なICTを使ったシステムを導入して、業務フローを見直し、薬剤師の行動を変えていっています。ICTはシステムであり、仕組みです。自分たちの業務ありきで、それを補うために使うのはただの電化製品であってICTではありません。「machi-ai」も単純な受付サービスではなく、薬局のすべての業務、つまり薬剤師のすべての行動の起点になるものだと僕は期待しています。